機動戦士Zガンダム・ア・ニュー・トランスレーション・レビュー

機動戦士Zガンダム~A New Translation Review~(初回限定盤)

機動戦士Zガンダム~A New Translation Review~(初回限定盤)

映画見てきました。テレビ版の原作を映画用の大画面に引き伸ばして再構成し、新しい映像と組み合わせるという「こんなもの僕の美的感覚から言えばクズ(by富野御大)」な上に、40話を超えるストーリーを2時間弱3本にまとめたためにストーリー的にはめちゃくちゃ凄まじいものになってる。特に3部はひたすら宇宙戦闘を切れ目なく続けまくっているため、ジェリドがいきなりバイアランからバウンド・ドックに乗り換えてて滅茶苦茶びびった。なんとかグワダン潜入やトップ会談、ジャミトフ暗殺などで変化をつけようとはしてるんだが。ロザミアの存在が完全に抹殺されてたのも、この構成では致し方ないとは言え、なんだかなあという感じ。最後の「俺の体を皆に貸すぞ!特攻」の時も、カミーユの左にフォウがいるのはそのままなのだが、右にいるはずのロザミアが消されてて微妙だった。フォウも第2部で死んだことになってるし。キリマンジャロでのカミーユとの再会のシーンは最終決戦の次に好きな場面なのに無念だ…。カミーユの名台詞もいっぱい削られてて悲しい。「遊びでやってんじゃないんだよー!」が「遊びかー!」に削られるとか…。
逆になぜか出番が増えたのがエマ中尉。ヘンケン艦長とのノロケ場面などがちょこちょこ追加されたり、台詞増えたり。エマ人気が高いことを証明した。エマ中尉はカミーユから見た大人の女性として描かれてるわけだが、かわいらしさとりりしさが完璧に調和している稀有な人。あの変な髪形も良し。
そして、やはりファン人気の後押しを受けてか、第3部は出ずっぱりのハマーン。やはり彼女の出番が多いように構成しているようだ。シロッコやシャアもそうだが、カミーユと違ってハマーンの台詞はほとんど削られたりしてないし、名台詞はそのまま言わせている。しかしハマーンは素晴らしい。かっこよすぎる。ハマーン・カーンというキャラはまさにガンダムという作品が生み出したある種の奇跡と言っても過言ではない存在である。あのありえないくらい低い声。怖すぎる口調。ミンキーモモも真っ青なヘアスタイル。その高潔さ、潔癖さ。でも実は20歳。正直ハマーン・カーンというキャラの魅力を語りきるのはこんな文字数じゃまったく足りない!
で、結局面白かったのか、そうでないかといえば、最高に面白かったです!モビルスーツ戦の迫力に圧倒され、ハマーンカミーユの罵詈雑言の応酬に歓喜し、シロッコ、シャア、ハマーンカミーユの戦いに「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」と映画館で絶叫しそうになることも数度(さすがにしませんでしたが)。正直もう一回見に行きたくて弟をしつこく誘っているのですが、まったくその気になってくれません。この興奮を伝えたいのに…。
サントラに関しては、映画用の新しい曲しか入ってないのかな?テレビ版からのこれぞZ!という曲がけっこう入ってなくて残念無念。曲自体は皆Zの世界観に沿った容赦ない感じの曲ばかりで良い。ガクトの曲もZの雰囲気にあってて良いと思った。

  • 追記

やはり2度目の地球降下が削られてのは残念。シャアの演説もないし。なにより無念なのはカミーユが「そんな大人、修正してやるー!」といっていきなりシャアをぶん殴り、シャアが「これが、若さか…」という意味不明の言葉をはっするシーンがないことである。カミーユが結構優等生的というか、ハッチャケたところが少なくなったのが残念。
スーパーガンダムは出てきてくれてよかった!エマ中尉がロングライフルぶっ放す所が見れて満足なり。
ラストに関しては「真の結末を目撃せよ!」のコピーをすぐに撤回してください。ええ。意味がわかりません。F91とかぶってる…。