アツミサオリ「びいだま」
- アーティスト: 後藤康二,アツミサオリ
- 出版社/メーカー: ランティス
- 発売日: 2004/11/26
- メディア: CD
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曲の内容に話を戻すと、とにかく全ての歌詞が「くる」ものなんですが、個人的にやられたのは
歩き続けた深夜の井の頭通り
でした。やっぱり深夜徘徊するよね、学生時代って。何の意味もないのに。どんなに夜の知らない道を当てもなく歩き続けたって、どこにも辿り着けはしないのにね。僕は井の頭通りじゃなくて新目白通りとか明治通りとか早稲田通りとかだった。やっぱりあの夜歩き続けた道の風景がね、蘇ってきちゃうんだよ。正直、歩いてる時(自転車の時もあった)少しも楽しくなんてなかった。むしろなにかよくわからないけど、きつかった。漠然と何かに追いたてられてて、焦ってた。でも、今、時と場所を隔てて思い出す風景が運んでくるものは、自由だったあのころへの強い郷愁。変な話だけどね、そのころ自分が自由だなんてかけらも思ってなかったのにね。思い出になってしまったあの風景は、ただ優しくて、でも痛みと切なさを与えるものに変わってしまいました。
思い出に強く抱きしめられる
確かにそう表現するのが適切だと思える感情に襲われるのだ。
抱きしめられたくなんかないのに、いざ抱きしめられてしまうと振り払えない。今を生きるために強くあらなくてはならない者にはやっかいなもの。でも忘れてはいけないもの。
忘れないために、自分なりにケリをつけなければいけないものなのだろうか(何かしら意味づけをする、という意味で)、それともそんなことするべきではないのか。
まあだから、そんな僕らの苦悩(?)にもお構い無しにひたすら一方的に「あのころ」を歌うこの歌はまあ反則だし、良いに決まってるわけで。オタクを題材にしているとはいえ、大学のサークル活動を描いた「げんしけん」のEDテーマとしてはこれ以上ない選択だろう。世間ずれしない感覚という点では普通のサークルよりもげんしけんみたいなサークルの方がこの曲にあってる気もするし。
まあつまり僕もそんなサークルにいました。大切な思い出です。